「おい、それは犯罪だぞ」

「うるせーよ。人の好みにケチつけてンじゃねーよ」


僕がそういうと男はうざったそうに答えてから、目の前のものを嬉しそうに見つめた。(実際は無表情だったけれど、少なくとも僕にはそう見えた)

確かにこの世には星の数だけ人がいる。そして、考え方や捉え方、感じ方だって人それぞれだ。それこそ千差万別や十人十色なんて言葉がある程に。そんなことくらい、僕だって知っている。

僕だって自分の好みにケチをつけられたら気分が悪い。もともと僕は自分がやられて厭なことは人にもしない派なので、やたらめったなことじゃ他人の好みにケチをつけたりなんかしない。

なぁ、気付いてくれよ。そんな僕がケチをつけたってことは、そうとうお前は人の道を外れているんだぞ。その好みの悪さは犯罪級だ。


その、


「なんだそのマヨネーズの山はぁぁぁ!」

「うるっせーな黙っとけよ」

「これが黙ってられるか!?いいから箸を止めろ!」

「やなこった。大体お前も食ってみればいいんだよ。 うまいぞ、コレ」

「無理無理無理!絶対無理だから! どうして普通の食生活が出来ないんだ!」

「うぜーよお前。コレが俺にとっての普通なんだよ」

「それは違う!間違いだ! 普通というのはこういうことを言うんだ!!」





「…なんだそのケチャップの山は」




仁義なき戦い。
(その後彼は急に怒り出した)(一体何がいけなかったんだろうか)



(終わり!)(自分はチズラー(チーズ大好き人間)です)(白飯はチーズがあれば美味に食せる)





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