「鳥が自由だなんて、誰がそう言ったんだろうな」
「誰だろーな。 多分、殆どの人は言ったことあるんじゃねーの?」
「そんなんさ、飛んでる鳥が羨ましくていったんじゃねーの」
「空、飛んでみたかったんじゃねぇの?」
「ってゆーか、飛んでる鳥が自由に見えただけだろ。所詮、目の錯覚だ」
「それか思い込みとか?」
「そーだろ。だってさ、世の中なんて無いものねだりの世界だぜ?」
「まぁ…言われてみればな」
「鳥になりたいなんて、実際なってみればいいんだ。鳥の苦労が分かるから。絶対、皆人間の方が良かった、っていうぜ」
「なれねーけどな」
「突っ込むなよ。 だってさ、鳥って餌とるの苦労してると思わねぇ?水だって汚いし、空気だって汚いし、生ごみだって人工物ばっかだしさ。空中には電線とか電信柱もあってさ、超音波とか、あれなんか体に悪そうじゃん」
「海豚って、確か超音波ださなかったっけ?」
「んじゃー超音波はなしだ」
「なしなのかよ」
「なし。だって海豚好きだし」
「好きなんだ」
「でさ、兎も角苦労してると思わねぇ?下手すると死と隣り合わせの世界だぜ?覚悟のない、甘ったれた世の中で生きてる人間なんかが鳥になったところで、直ぐに死んじまうだろ」
「そういうもんか」
「そーじゃね?」
「ふーん。 あ、鳥」
「本当だ」
鳥
(終わり!)(青い空と白い雲、の続き物!)