「っ…」
私が泣きながら前を見つめると、彼女は呆れたように溜息を吐いた。
「何時間このままでいる気?」
彼女の声があまりにも冷たくて、私の体に鳥肌が立った。涙が一層強く零れる。ついこの前まで、並んで色々なことを話し合ったのに。落ち込んだ私を、彼女は「あはは。大丈夫」と言って慰めてくれたのに。「どんな時でも、あたしがついてるじゃん」そう、言ってくれたのに。全ては嘘だったのだろうか。
いや、嘘だったのだ。現に彼女は私を裏切った。最悪だ。最低だ。いい加減、気持ちに区切りをつけなければ。もしかしたら、なんてない。もしかしたら彼女は仕方なく裏切ったのかもしれない。もしかしたら彼女はまだ自分のことが好きかもしれない。もしかしたら、これは夢かもしれない。 そんなことはないんだ。絶対に。
私は思い切り息を吸い込んで、腕をピンと伸ばした。引き金に指をかける。この引き金を引けば、彼女は死んでしまう。引け。引くんだ自分。彼女は自分を裏切ったんだから。殺して当然なんだから。引け。殺してしまえばいいんだ。
「ほら、早く撃てばいいでしょ。 早くしないとあたしが動くわよ」
「………」
うるさい。撃てるものならさっさと撃ってるんだ。馬鹿ですかあなたは。
引き金
(終わり!)(何があったのかは気にしない方向で…)